なごみ歯科・矯正歯科

ブログ|大阪市東住吉区で歯科をお探しの方はなごみ歯科・矯正歯科まで

homeブログ

コラム

歯医者が伝える口内炎とがんの見分け方|大阪市東住吉の歯科医院

なごみ歯科・矯正歯科院長の東和田です。

口腔内写真
口腔内写真で大きさを確認

癌(がん)とは

まずは癌とは専門用語として悪性腫瘍といいます。腫瘍には、良性腫瘍と悪性腫瘍があります。自分は学生の時にこのことを聞くまで、癌と悪性腫瘍は別物だと思っておりましたが、同じ意味です。癌はみなさんのイメージでは致死的なもの、予後が悪いもの、転移する等のイメージがあると思います。しかし日本では現在がんで亡くなる方が一番多く、いまだにがんを克服できるような兆候はみられません。本日の記事を読んでいただいて患者さんに安心していたくと同時に、早期の癌の発見につながれば幸いです。

まずは口内炎について書いていきたいと思います。口内炎は普通のものは3~4日で治癒しますが、癌のはじまりも口内炎からなる方もいらっしゃいます。自分のできた口内炎ががんだったらどうしようと考える方は多いと思います。
しかしながら、口内炎か、がん(悪性腫瘍)かの鑑別をするのは口腔の専門家の歯科医師でも非常に難しいということです。しかしながらそのような難しい疾患でも、どうやって早期の治療をすればよいのかがある程度わかっておりますので、その方法をお伝えします。

口内炎か、がん(悪性腫瘍)について


まずは口内炎は99%心配いらないものです。しかし昨今、芸能人の口腔癌罹患のニュースも耳にし、自分と癌は全く関係ないものと言い切れなくなっています。自分の口内炎が癌(ガン)か心配な方はすこしお付きあいください。
歯科医として口内炎とどのように向き合っているのかを書いていきたいと思います。


まず癌の部位の形状がおかしいか診ていきます。出血(血が出るか?)と硬結(その部位がかたいか)等をみていきます。ある程度口内炎というものは、普段から見慣れてはいるとは思います。それらの特徴と合っているかを確かめます。そして口内炎のを治療をまずは進めていきます。医学的には癌であれば、出血性があがり、硬くなることが多いとは言われていますが、それだけで判断するのは早計だと思い、治療をしながら経過を診ていきます。

口腔がんについて

口の癌ではもちろん、歯肉癌、舌癌が一番多いとされています。口腔がんは全体のがんの数%です。頬粘膜癌や唾液腺癌は少なくなってきます。多くは舌と歯のあたるところ(舌辺縁部)に一番多くできるといわれています。これは機械的な刺激が一番多く生じるためだといわれています。歯が常に舌にあたるためです。

口腔癌ガイドライン発生頻度

口内炎の治療の流れ


まず私自身の治療の流れとしては、口内炎ができた患者さんには、ステロイド(塗り薬)や含嗽(うがい薬)で様子をみます。しかし口腔内は湿潤しており、部位によっては塗り薬が届かない部分もあり、即効性はありません。基本的には、口腔内は清潔に保つ方がよいので、ブラッシング、含嗽は丁寧に行うように指導します。対象部位に関しては、歯みがき(ブラッシング)であたると痛み、症状の悪化の原因となるために、控えめにお伝えします。

基本的に薬(ステロイド剤や含嗽薬)を使ってから1週間程度経過観察をします。当たり前ですが、口内炎はそもそも治癒していくのでそれで口内炎がなくなるようであれば、がんの可能性は基本的にはないと思われます。

また口内炎は同じ場所によくできやすいので、心配ですみたいなお声も聴きます。しかし上記で書いたように機械的な刺激により口内炎もできることもあります。また歯並びの関係でよく同じような位置で頬や唇をかんだりしやすい方も多いですので、一概に同じ場所に口内炎がよくできるからとは癌と言い難いところもあります。

何回かを経過観察しても口内炎治癒しない場合は、提携病院(大学病院等)へ紹介します。(2024年現在)近年ある芸能人が、口腔のがん発見が遅れたことが話題となりました。口腔がんの割合は全がんに対して一桁%であり、あまり深刻にとらえられていませんが、がんの切除による摂食障害、がんの切除による顔の審美的な障害、食事の制限等により、QOL(普段の生活の質)をかなり下げるものです。一般的に口内炎はがんかどうかの違いは、専門職の歯科医師でも診察だけでは判別することはかなり困難で、歯科医師のなかでも口腔外科の専門歯科医師でも難しいといわれております。診断として、細胞診、組織診(顕微鏡で組織を確認する)によって確定することができます。なごみ歯科・矯正歯科でも何人かの患者さんを大学病院へ紹介しております。
また、私個人の意見として、口内炎の治療にレーザー治療はあまりお勧めしていません。悪性のがんでもレーザー治療で一時的に消失することがあり、口内炎かがんの判別が難しくなるからです。上記芸能人も最初はレーザー治療を受けられていたそうです。

口内炎の予防方法

1.バランスの良い食事を心がける:

栄養バランスの良い食事を摂取することが大事といわれています。口内炎の原因となるビタミン不足や貧血を防ぐことができます。特にビタミンBが不足していると口内炎ができやすいといわれています。

2口腔内の清潔を保つ:

口腔内を清潔に保つことで、口内炎の発生を防ぐことができます。歯磨きは、口内炎の原因となる細菌を減らすために大変重要です。またうがい(含嗽)をすることで、口内の細菌を減少することができます。

3.タバコやアルコールの過剰摂取を控える:

タバコやアルコールは、口内炎を引き起こす原因となります。もちろんこの二つには、口腔癌の発生も高めます。この二つの摂取を控えることで、口内炎の発生を防ぐことができます。

4.ストレスを減らす:

ストレスは免疫力を低下させ、口内炎を引き起こす可能性があります。

口内炎との他の病気で鑑別で必要なもの


患者さんが口内炎やがんだ!と思っていても、歯の根尖病変、病変からの瘻孔(ろうこう:膿の出る穴)や、耳下腺開口部(上の奥歯の頬部あたりにあります)と間違えてる場合もあります。いままで診察した患者さんでも上記のものでしたが心配して来院された方もいらっしゃいます。口腔がんと他の疾患で判別が必要な際には歯科医院を受診しましょう。あと粘膜が白くなる白板症、粘膜がひりひりした症状が出る、扁平苔癬等もあります。白板症や、扁平苔癬の方はがん化しやすいといわれておりますが、あまり症状が強く出ないので要注意です。

矯正治療中のの口内炎

矯正中の口内炎ができた場合には、以下のようなことが知られています。

1 矯正器具の部位が原因となる場合がある:

矯正器具のブラケットやワイヤーが口腔内を刺激して、口内炎ができることがあります。また、矯正器具の使用により口腔内をどうしても擦過が増え、口内炎ができやすくなることもあります。

2 食べ物が原因となる場合がある:

食べ物の中には、口腔内を刺激するものが含まれているものがあります。(例えば唐揚げ等で傷をつける)また、硬い食べ物をかんだ際に、口腔内が傷つき、口内炎ができることがあります。

矯正中の口内炎の治療方法

基本的には、上記口内炎の治療と同じくです。矯正中の口内炎で矯正装置を外すところまではいかないことが多いですが、あまり頻繁にできる口内炎は歯科医師と相談の上どのように治療していくのかを決めましょう。

著者 なごみ歯科・矯正歯科 東和田慶直

なごみ歯科・矯正歯科の診療案内のページへ

 
WEB予約
電話をかけるWEB予約LINE予約